配信トラブルの未然防止は「事前準備」から

オンライン配信は単に機材を集めれば出来るものではなく、配信を担当するスタッフの技術習得と合わせて、配信スタッフがしっかりは配信の全体像を把握していることが重要です。

全体像が把握できていれば、オンライン配信をする目的やゴールから逆算しながら、トラブルを防止するための事前準備を行うことができます。

なぜ配信トラブルはなくならないのか

配信担当をしている多くの方が、未然防止ではなく「何かあった際のリカバリー」に、つい目が行ってしまうことも一つの要因として挙げられます。

また配信トラブルと一言でいっても、インターネット回線、各種配信機材や音響など、単独での原因だけではなく、様々な要因が重なったことでのトラブルも存在します。ここでは、大きく分類した代表的な3つのケースを挙げておきます。

機材トラブル

オンライン配信の機材トラブルは、故障とは別に機材の設定が原因で起こるトラブルがあります。適正な設定をしていなければ、映像が安定しない・音声が途切れるなど全体に関わるトラブルへと発展することがあります。

回線トラブル

ライブ配信はリアルタイムでの配信となるため、インターネット回線の安定性や速度が非常に重要です。回線が重い・不安定だと配信自体が不安定になるばかりか、最悪の場合は配信が切れてしまうことも考えられます。

ヒューマンエラー

配信トラブルの多くは、確認や準備不足によるヒューマンエラーが原因です。配信確認や事前リハーサルを行わないなど、配信オペレーションのチェックを疎かにすることで、防げたはずのトラブルが表面化してしまいます。

良くあるトラブル例と解決策

配信が落ちてしまう

原因)
ライブ配信:インターネット回線速度の問題
ウェブ会議システム:PCのスペックの問題

解決策)
ライブ配信:有線LANを使用
ウェブ会議システム:PCのスペックが高いものを使う

※ Zoomの推奨:デュアルコア2Ghz以上/RAM 4Gb

当スタジオの取り組み)
ライブ配信:最大速度1Gbpsの安定した高速回線を有線LANにて接続
ウェブ会議システム:配信専用PCを使用(Core i7-10700、RAM 32Gb)

映像がカクつく・画質が粗い

原因)
・配信ツールの選定ミス
・インターネット回線速度の問題

解決策)
・目的に応じた配信ツールの選定
・有線LANを使用

当スタジオの取り組み)
・スタジ見学時の配信プラットフォームの提案
・最大速度1Gbpsの安定した高速回線を有線LANにて接続

ハウリングがおきてしまう

原因)
複数台の機器によるマイク入力とスピーカー出力のループ

解決策)
メイン機以外のマイクとスピーカーをOFFにする

当スタジオの取り組み)
複数台のピンマイクのクリアな音声をミキサーへ集約
ミキサーとマイク・スピーカーシステムをメイン機のみへ繋ぐことで、会場中へ音声を届けながら快適な遠隔コミュニケーションを実現

★ 当スタジオの配信メイン機
ライブ配信:Tricaster Mini
ウェブ会議システム:MOUSE デスクトップPC(DAIV Z7)https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gdaiv-z7/

音が割れてしまう

原因)
音声入力が大きすぎる

解決策)
音声入力を下げて適正値に設定する

当スタジオの取り組み)
ミキサーで各マイクの音声ボリュームレベルを均一化したうえで、ボリュームのレベルメーターにて音割れしない適正値を設定
さらに音声がクリアに届いているかをその都度ごとに事前確認&本番時のモニタリングを徹底

映像が表示されない

原因)
配信機器に映像入力が正しく認識されていない

解決策)
接続ケーブルの挿し直しや交換

当スタジオの取り組み)
断線や接続不良の場合もバックアップとして複数のケーブルをご用意

マイク音が入らない

原因)
配信機器に音声入力が正しく認識されていない

解決策)
接続ケーブルの挿し直しや交換

当スタジオの取り組み)
断線や接続不良の場合もバックアップとして複数のケーブルをご用意

PCや配信機器の挙動がおかしい

原因)
PCや配信機器の不具合

解決策)
PCや配信機器の再起動・交換

当スタジオの取り組み)
ライブ配信:メイン配信機器のTricaster Miniは、予備機として同機種をもう1台保有
ウェブ会議システム:デスクトップPCとは別に、Zoom専用ノートPCを保有

当スタジオの対策について

ここまで良くあるトラブル例と解決策を見てきましたが、当スタジオではそもそも当日の配信トラブルが極力起こらないよう、配信スタッフは配信当日よりもリハーサルも含めた事前準備や確認作業に多くの時間をかけております。

例えば、事前準備や確認作業、本番を想定した進行トレーニングなど、本番の3倍以上の時間をかけることも珍しくありません。念入りに準備をしているからこそ、トラブル対応の後手に回るのではなく、「何もなく」配信を終えて頂くことができます。

事前リハーサル(専用スタジオ)

事前リハーサルでは、主に進行確認としての運営リハーサルを行っております。事前リハーサルを本番環境にて配信テストすることで、トラブルを回避したスムーズな進行が実現します。

【事前リハーサルでの確認点】

・全体の進行確認
・映像や音がしっかりと配信されているか
・本番環境での配信テスト&視聴確認
・スイッチングやカメラワークの確認

・テロップ等の誤字脱字
・動画等の動作確認
・スタジオへの音声返しと音声が相手と繋がっているか ※1

※1 リモート出演や双方向でのやり取りの場合

事前リハーサルで何か問題があった場合も、当日同じ状態が起こらないよう原因を考え、当日に向けてしっかりと準備を進めております。

事前リハーサル(出張配信)

出張配信ではインターネット回線でのトラブルを回避するため、有線LANの接続を必須条件としております。また講師の声を会場内へ返す必要のある広い会場の場合は、会場にて音響さんのご手配をお願いする場合もございます

出張配信での事前リハーサルは、専用スタジオでの確認点と合わせて以下も確認しております。

【事前リハーサルでの確認点】

・有線LANでインターネットに接続できるかどうか
・会場内の配線場所の確認と接続テスト
・観客席の位置と機材セッティング位置 ※2
・スライド資料の投影を会場とオンラインで分けるのかどうか ※2

※2 ハイブリッド配信時の追加確認点

最後に

オンライン配信のトラブルは、準備不足のまま本番に入ってしまったケースがほとんどです。反対に、しっかりと事前準備をしておくことで、配信時の不要なトラブルの大多数を未然に防止することができます。

品川動画配信スタジオおよび横浜動画配信スタジオでは、配信トラブルが無いように配信スタッフが徹底した事前準備をしているため、安心して本番当日を迎えて頂けます。

オンライン配信、ハイブリッド配信、出張での配信は、品川動画配信スタジオおよび横浜動画配信スタジオへお任せください。