セミナー動画撮影の品質を決めるノイズ除去の考え方と方法|Premiere Pro / Auditon

品川動画スタジオ|クスノセ・アンド・カンパニー
From:森 正宏

ZOOMやYouTubeを使ってのオンライン配信やウェビナーをやり始めて「音」が重要だと気付いた方も多いのではないでしょうか?ZOOMの向こう側から聞こえる雑音や生活音…エアコンの音が気になって講師の話が耳に入ってこない…。などなど。

実は動画(もっと言えばビジネス用途の動画)では「映像」よりも「音声」の方が重要な場合も多いのです。

この記事では、これまで3000本以上のセミナー動画を編集してきた経験から、動画編集を担当する方向けに「ノイズ除去」の考え方と処理方法の基本をお伝えします。 

ノイズ処理はプロと素人の境目

動画を撮影すると、ホワイトノイズ(さーっという背景音)やエアコンの空調音などノイズが入ってしまいます。

普通の視聴者はノイズの存在にそもそも気が付いていないので、ノイズ処理をしなくて良いという考え方もありますが、動画編集や配信のプロから見れば、ノイズ処理していない事はバレバレ。

セミナー動画の品質という部分では疎かにできないものですし、そもそもノイズを認識できているかどうかはプロと素人との境目と言っても過言ではありません。

誰もがやらかすノイズ消しすぎ問題

ただし動画編集者が必ず陥るのが…

ノイズ処理しすぎで音こもらせ問題

です。

音声は、処理しすぎると元の音や声も削ってしまい「こもった音」になってしまいます。ノイズの存在を知ったことで、逆に気になり過ぎて、限界までノイズを除去しようとして失敗する、誰もがやらかす定番のパターンです。

こもるよりノイズが残った方が良い

最初に書いた通り、普通は視聴者もノイズの存在を認識していないため、ホワイトノイズを気にしません。しかし、音がこもって自分の声が変に聞こえるのは強い違和感を感じますので、これはクレームにつながります。

そのため

こもるくらいならノイズを残した方が良い。

のが現場の鉄則。

多少のホワイトノイズは全然気にならないものです。

PremiereProやAuditionのベターな設定

弊社では数多くのセミナー動画編集の経験から、ノイズ除去の数値は定型化してあり、イレギュラーがない限りは、それ以上いじらないというルールにしています。

PremiereProの場合

・クロマノイズ
 └40%~50%(60%以上はこもりやすい)
 +
・マルチバンドコンプレッサー
 └しきい値 -10db
 └マージン -1db(リミッタ)
 └アタック 2ms
 └リリース 500ms

Auditonの場合

・ノイズリダクション
 └ノイズリダクション 90%
 └削減値 25db
 └スペクトルディケート 20%

これは品川動画スタジオのマイクや環境に最適化したものなので、あくまで弊社内での設定数値ですが、概ね他の環境でも良い感じに仕上がります。

【余談】Premiere-Proのクロマノイズは要注意

Premiere-Proのクロマノイズは超便利なのですが、今のところバグがあります(2021年1月1日現在)。クロマノイズを掛けると、カット部分の冒頭5コマ程度に雑音がはいってしまうというもの。Adobeさん何とかしてくれ~。

そのためカット編集を多用する場合は、最初に音声全体にクロマノイズを掛けるのは非常によろしくないです。カット編集が終わった時点で、音声ファイルだけ書き出し、Premiereに入れ直した後にクロマノイズを掛けるなど一手間が必要です。

ノイズ除去は最後は度胸

 

ノイズは完全除去ではなく若干残すべし。


実はテレビをイヤホンで聞くと良く分かりますが、若干ノイズを残しているケースは多いです。番組にもよるのでしょうが、ハッキリとホワイトノイズを除去していないケースもあります。これは敢えてノイズを残す、という決断をしたのでしょうね。

ホワイトノイズの存在を知ってしまった動画編集者は、ノイズを残すことが怖くなってしまうもの。しかし、実際はノイズ除去しすぎで「こもって」しまった方が視聴者にとって不快なもの。だから動画編集者は次のステップでは

 

ノイズがある事を分かった上であえてノイズを残せる度胸


が必要になるのです。

結局は良い環境でセミナーを撮影する事が大切

そして最終的には「そもそもノイズが少ない環境で撮影する方法を考えるべき」と気付きます。

そう考えられるようになると

・マイクの使い分け

・マイクの設定

・ミキサーの設定

・周辺環境の配慮

の意味が本当に分かるようになってきます。


なぜ
ピンマイクのアッテネータは
6dbなのか

なぜ
ピンプラグではなく
キヤノン端子(XLR)を
使っているのか

なぜ
ミキサーのHighとLowが
若干落としてあるのか

など、全ての設定には意図があります。

 

配信や動画に携わる人は、機材の取扱い説明書を何度でも熟読し、設定を記号的に覚えるだけでなく、その「意図」や「背景」を理解する事が求められます。

動画担当者に求められるもの

そう、動画は単に技術があれば良いというものではありません。全体像を理解し、相手が何を求めているのか、全体を把握する総合力が必要になります。そして、それが分かった瞬間は、企業活動における動画の力を身体で理解できる瞬間ではないかと思うのです。

動画やオンライン配信をもっと積極的に活用したいという方は、品川動画スタジオまでご相談ください。私たちがビジネスの最前線で培ってきた経験とノウハウで、お手伝いさせて頂きます。