企業のウェビナーでは扱う情報もデリケートなものになるため、セキュリティも重要な要素になってきます。なので、ウェビナー配信ツールを選ぶ際もセキュリティの高さが、一つの決定要因となります。
とはいえ、セキュリティを高めれば、高めるほど
- 運営の負担は増える
- 参加者は参加しづらい
- コストが高くなる
といった側面もあります。
なので、開催するウェビナーによって、どの程度セキュリティが担保されていれば良いかを明確にした上で、適切なツールを選ぶことで、安心感と利便性の両方を享受することができます。
では、セキュリティの観点からツールごとに何を確認すれば良いかを解説していきます。
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配信ツール別セキュリティチェック
公開・非公開
まずは、の設定があるかどうかです。
公開:誰でも見られて検索すると出てくる
限定公開:URLを知っている人だけが見れる
非公開:管理者しか見れない
代表的な配信ツールごとに特徴をまとめると以下の通りです。
YouTube | Vimeo | Zoom
Microsoft Teams |
◎ | ◯ | ▲ |
より詳しくまとめると、以下の通りになります。
YouTube | Vimeo | Zoom
Microsoft Teams |
|
公開 | ◎ | 有 | 無 |
限定公開 | 有 | 有 | 有 |
非公開 | 有 | 有 | 有 |
これらの特徴の違いは配信ツールの目的によります。
例えばYouTube等は認知拡大を目的としたツールに対して、Zoom等のウェブ会議システムは、特定の人だけに向けたクローズドな会議で使用されることがメインになります。
ちなみに企業がウェビナーで使う際は、リンクを知っている人だけがアクセスできる限定公開があると使いやすいです。
Vimeoは拡散性も高くないので申込者だけに見てもらう点で安心して使用できます。
パスワードロック
パスワードロックは簡単にセキュリティを高めてくれますが、裏を返せば視聴ハードルを上げることになります。
特に新規顧客獲得を目的としたウェビナーの場合、パスワードを入れてまで視聴したいと思わず、見るのをやめてしまうこともあります。
代表的な配信ツールごとのパスワードロックの有無は以下の通りです。
YouTube | Vimeo | Zoom
Microsoft Teams |
× | ◯ | ◯ |
どうしてもパスワードが必要ならYouTube以外が最適です。
また、配信ツール自体にパスワードをかけなくても、サイトのページに埋め込んで、ページ自体にパスワードをかける手法もあります。
直接視聴:視聴者に動画URLを送る
埋め込み視聴:視聴者に動画を埋め込んだWebサイトのページを見てもらう
ちなみに埋め込み視聴の方が、同じページ内にフォームを設置したりとカスタマイズがしやすいメリットがあります。
入退室管理(視聴ログ)
次に入退室管理、つまり入室の許可ができたり・誰が入室したかがわかる機能です。
ツールごとの有無は以下の通りです。
YouTube | Vimeo | Zoom
Microsoft Teams |
▲ | ▲ | ◎ |
YouTube・Vimeoは誰が視聴しているかまでは把握できません。
なので、YouTube・Vimeoを使って出席確認をしたいなら、別途アンケートフォームを作るなどで対応します。
画面録画の禁止
よく相談を受けるのが画面録画を禁止したい、という点です。
画面録画の禁止については以下の通りです。
YouTube | Vimeo | Zoom
Microsoft Teams |
× | × | × |
結論から言うと、画面録画を完全に防ぎきることはできません。
- 理由1:ツールに関係なくPCの機能やソフトで画面録画ができてしまうから。
- 理由2:例えばPCの画面をスマホで撮影する、といったこともできてしまうから。
ウェビナーを実施する際はある程度割り切ることが必要です。
なので、どの程度情報を出しても大丈夫なのか、といったことも事前に考えておくことが安全です。
まとめ
以上をまとめるとこのようになります。
YouTube | Vimeo | Zoom
Microsoft Teams |
|
公開/非公開 | ◎ | ◯ | ▲ |
パスワードロック | × | ◯ | ◯ |
視聴ログ | ▲ | ▲ | ◎ |
画面録画の禁止 | × | × | × |
根本的な話になりますが、実はウェビナーを実施する上で完璧なセキュリティはありません。
- パスワードを設定しても転送される可能性があります…
- 視聴ログを取れるといっても、本当に申し込んだ人本人なのかはわかりません…
- 画面録画はそもそも防ぎようがありません…
また、セキュリティを高めるほど
- 運営の負担は増える
- 視聴者は参加しづらくなる
- コストも上がる
といった問題も発生します。
私たちは動画配信スタジオを運営していますが、それでもオンライン配信は万能ではないと捉えています。
絶対に関係者以外に見られたくないセミナーならオフラインで実施する、ウェビナーで実施するなら万が一のことがあっても良いように表に出す情報を調整することが何よりも安全です。
この記事の内容を参考に、目的と線引きをしっかりすることで、安全性と利便性を両立したウェビナーを実現してください。